市川・木場・
前回のブログでは、テロメアというものが寿命や老化に関わっているという内容でした。
テロメアの長さは、寿命や老化現象において重要と考えられていますが、もちろんそれだけで老化が止まったりする訳ではありません、人間は様々な生体機能のバランスの上で生存しています。
テロメアとは(おさらい)
前回の話で
テロメア・・・「老化時計」「命のろうそく」とも呼ばれるDNAの集合体、染色体の両端にあるキャップの様なもので細胞が分裂していくと短くなっていき、最後には無くなってしまいます。テロメアが無くなってしまうと細胞分裂ができなくなるだけでなく細胞の働きが悪くなり機能不全や老化・病気の原因になります。
ということでした。
では、テロメアが長ければいつまでも若々しく寿命も長いかというとそうとも限りません。
テロメアの長さがあるにも関わらず、細胞分裂が起こらなかったり機能に問題が生じることもあります。
活性酸素や突然変異、老廃物などの何らかの要因でテロメアの長さが十分にある状態でも活動が止まってしまう場合もあります。
一つの目安にはなりますがそれが全ではありません。
ずっと続くことにも問題がある
そんなこと言ってもテロメアがずっと長い状態で細胞が分裂して活発になる可能性が高い方がいいんじゃないの?!と考えてしまうかと思います。
しかし、テロメアの長さが保たれ細胞分裂活動がいつまでも続くことで問題が起きる場合もあります。
胎児の細胞にはテロメアを伸ばす作用がある酵素テロメラーゼというものが存在します。
細胞が分化した後にはテロメラーゼはなくなり、そして発現しなくなってしまいます。
その後は細胞分裂するたびにテロメアは短くなり、やがてテロメアの長さが足りなくなると細胞分裂ができなくなります。
これが通常です。
しかし、突然変異などで異常を起こした腫瘍やがん細胞などはテロメラーゼを再発現させて無限に細胞分裂を繰り返すことで増殖し続けていきます。
テロメアによりに細胞の寿命が決まっていれば腫瘍細胞などが増えるも止まるのですが、テロメアの長さを回復させるとこでいつまでたっても問題のある細胞がどんどん増殖していってしまうという問題が起こります。
この様に短くなっても、長くなっても、長さが適正でも問題が生じる可能性はありテロメアがどんな場合でも完璧というではありません。
適切な状態では体にとって有益な作用をもたらしてくれますが何かバランスが悪くなると不具合を起こす可能性もあります。
一つの側面からだけでは測れない
テロメアが長いことが細胞の若さなどに関わっていることが分かっていますがそれが全てがではなく、判明していないことの方が多いのが現状です。
そのため、
一つの方法や見方に固執してしまうと間違った方向へ進んでしまいマイナスの効果を生むことになります。
若さ・アンチエイジングの秘訣は本当に当たり前ですが、
適度な運動と適切な食事、必要分の休養や適度な刺激・ストレスの発散
をバランスよく行うことが一番だと考えられています。
健康にとって有益だと考えられている事でも
過剰であったり、適切な状況でなければ害になってしまいます。
一つの取り組みによって完璧なダイエットやアンチエイジングできる方法は存在しません。
それぞれの生活スタイルに合わせたバランスの良い状態を整えていく事が効果を生む普遍的な方法ということになります。