第3回 減量時の筋力トレーニングの価値は?!(前編)

Posted 9 years ago
今回は、減量時の筋力トレーニングの価値にはどの様なものが考えられるのか?

についてです。



減量・引き締めを行う時には食事療法と運動(ウエイトトレーニング・有酸素運動)

基本となりますが

まずは、一般的に良く聞かれる筋力トレーニングを行う価値についてです。



「筋力トレーニングをして筋肉量アップする事で基礎代謝を上げて消費エネルギーを

 高めていく事で痩せる!!」



という事を一度は皆さん聞いた事があるかと思いますが

本当にそうなのかを考え行きましょう。




そもそも筋肉量を増やしていく事でエネルギー消費量がどのぐらい上がるのかというと

筋肉量が1kg増えると1日辺りのカロリー消費量が13kcalぐらい上がると言われています。

(諸説ありますが科学的根拠に基づいて考えるとこのぐらいだろうというのが現状の様です。)


では今度は、筋量を1kg増やすにはどのぐらい期間がかかるかというと

筋トレのプロとも言えるボディービルダーが1年間真面目にトレーニングにして

1kg筋量を増やす事が出来れば成功だと言われています。





この事を踏まえて減量に対して筋力量が1kg増える事でどのぐらいの効果があるのかを

例を上げてみてみましょう。



例えば、

筋力トレーニングを頑張って続け筋肉量を1年かけて1kg増やしたとします。

「食事も気を付けているのですがお腹が空いていて

今日はいつもよりオニギリを一個多く食べてしまいました…」


というケースです。



摂取エネルギー量<消費エネルギー量


が減量の基本なので

エネルギー摂取量を減らす、または消費量を増やす、もしくは両方行う事で

エネルギーのマイナス状態を作り出す事が目的です。



筋肉量を増やし代謝を上げるという説明では、エネルギー消費量を増やすのが

目的ですが計算してみると…


1年かけて筋肉量を1kg増やしたとしてもオニギリ1個多く食べる事によって


増加させたエネルギー消費量13kcal/1day の15日分ぐらいのkcalを数分で

摂取してしまうという計算になります…

(オニギリを約200kcalと想定した場合、筋肉量1kgを増やし13kcal/1日代謝が上がると考えると

15日×13kcal=195kcal)」

これが400kcalを超えるケーキなどを余計に食べたとしたら

増やした消費量約1ヶ月分を1回で相殺しますね…





この様なケースを考慮すると、体重数値を減らし減量する為の

摂取エネルギー量<消費消費エネルギー量

の図式を作り出す為には、このケースの場合非常に効率が悪いですね…

それよりも食事療法で摂取エネルギー量をコントロールした方が効果も時間効率も

遥かに高い事は間違いありません。




という事は、


「筋力トレーニングをして筋量アップする事で基礎代謝を上げて消費エネルギーを

 高めていく事で痩せる!!」


という話しは、理に適ったものでは無いという事です。

(効果が全く無いという訳ではありませんが効果は高くない)


という訳で筋力トレーニングを減量時に積極的に行う理由として上げるには無理があります。





スポーツ医学分野での学術団体  

アメリカスポーツ医学会 ACSMAmerican College of Sports Medicine)の発表の中にも

「Resistance training will not promote clinically significant weight loss」

「筋力トレーニングは、臨床的に体重減少の優位な促進をもたらさない」

とされ筋力を付ける事が体重減少に繋がる科学的根拠は立証されていません。







これでは、筋力トレーニングを頑張っても

ちょっとしかエネルギー消費量が上がんないし……


「筋トレなんかしなくいいじゃん!!」


という結論に達する方もいるかと思いますが

減量時に筋力トレーニングする効果は、ただただ重量数値を減らして行くだけの減量とは

違う側面で大いに役立ち、勿論十分に行う価値があります!!


そのお話しは、また次回に続きます。